北九州市で助成金の申請代行、就業規則の作成なら中谷社会保険労務士事務所にご相談ください。

中谷社会保険労務士事務所

808-0102  北九州市若松区東二島3-18-18

企業様無料相談受付中

助成金・就業規則・労務管理
当事務所にお任せ下さい。

日々の労務管理における、こんな時どうするに、お答えします。

労務のなるほど質問箱・休日/休暇編

日々の労務管理におけるクエスチョンは、様々です。

このページでは、

社労士事務所を運営する中で

休日/休暇に関する質問として寄せられた相談事例をご紹介します。

御社でも、疑問に感じていたものが有るかもしれません。

 

ご参考になれば、幸いです。

『労働時間』に関する質問はこちらをクリック

休日/休暇に関する質問

興味のある質問をクリック

育児休業中に第2子の出産日まで育児休業として休むと、育児休業給付金と出産手当金を同時に受けられるのか。

休日を休暇に変更すると割増賃金の単価は下がるのか。

年末年始を含む育児休業の申出があった場合、公休日も育児休業に成るのか。

子が2歳に達する日と契約期間の満了日が同日の場合、2歳までの育児休業の取得は可能か。

認可外の保育所に入れなかった場合に、1歳以降の育児休業の対象になるのか。

育児休業中に申し出た第2子の産前休業をさかのぼって取り消せるのか。

当初から1歳を超える育児休業と認めた場合、休業者本人にどの様な影響が考えられるでしょうか。

休日出勤を命じた日に、年次有給休暇の取得を認めなければならないか。

同じ日に、時間単位の有給と半日単位の有給を取得することは出来るのか。

育児休業中に転職活動をして、そのまま退職をしようとする社員に、何らかの抑制をすることは出来ないのか。

育児休業中の社員から年次有給休暇を消化して退職したいと言われたら、認めなければならないか。

年次有給休暇を使用している間に出産して場合、出産日とその翌日の扱いはどうなるのか。

午前中の勤務時間が午後半休の時間帯まで長引いた場合、そのまま午後半休を与えてことにしてよいか。

裁量労働制を適用している社員から、半日単位の有給休暇の請求があった場合どうすれがよいでしょうか

派遣社員が年次有給休暇を取得したら、派遣先はその日の派遣料金を払わなければならないか。

個人別付与方式による年次有給休暇の計画的付与を行っている場合、既に年次有給休暇を使い切っている社員の扱いはどうなるのか。

終業時刻の間際に、翌日から30日の有給申請をして帰ってしまった社員に、どの様に対応すれば良いでしょうか。

 

育児休業中に第2子の出産日まで育児休業として休むと、育児休業給付と出産手当金を
同時に受給できるか。

育児休業中の女性社員から、「第1子の育児休業中に第2 子を出産する場合、

出産日まで育児休業として休めば、育児休業給付金も出産手当金も受給できると聞いたが本当か」と聞かれました。

今まで、

育児休業中に次の子の出産予定の申出があると、育児休業を終了させ、産前休業を開始する手続きを案内していました。

そのため、育児休業給付金と出産手当金を同時に申請することはありませんでした。

 

出産日まで第1子の育児休業として育児休業給付金を受給し、同時に第2 子の出産手当金も受給できるということに

矛盾を感じるのですが、同時に受給することはできるのでしょうか。

 

現時点では併給調整もない以上、同時に受給できることになります。

労働基準法第65 条の産前休業は、女性労働者が請求することに

よって取得できるものです。

そのため、本人の請求がなければ産前休業とはなりません。

したがって、

「育児休業中に出産することになったが、産前休業の請求はせず、

出産日まで育児休業として休む」ということは可能であり、

その場合、出産日まで第1 子の育児休業は続くことになります。

ところで、

雇用保険の育児休業給付金は、育児・介護休業法に定める育児休業期間中に、

一定の要件を満たした場合に支給されるものです。

ご質問のように、第1 子の育児休業中に第2 子の産前休業を請求しないのであれば、

第1 子の育児休業は第2 子の出産日まで続くため、雇用保険の育児休業給付金は、出産日まで支給されることになります。

一方、健康保険の出産手当金は、産前産後休業期間を対象として支給されるものです。

のため、出産前の休業を第1 子の育児休業として取得した場合、第2 子の出産手当金は支給されないように思えますが、

健康保険法では、出産前に取得している休業が育児休業であるか、産前休業であるかは問わず、出産手当金の支給要件を

満たしていれば、出産手当金を支給することになっています。

 

したがって、貴社の社員が言うように、同じ休業期間に育児休業と産前休業という2つ事由が存在する場合、

出産前の休業を第2 子の産前休業ではなく、第1 子の育児休業として休んでいるのであれば、

第1 子の育児休業給付金と第2 子の出産手当金は同時に支給されるということになります

 

取得している休業が育児休業にもかかわらず、出産手当金が支給されるという矛盾を感じるということですが、

育児休業給付金と出産手当金が異なる法律による制度であり、

また、併給調整もない以上、現時点では、同時に受給することができることになります。

上に戻る

休日を休暇に変更すると、割増賃金の単価は下がるのか。

先日、休日を休暇として休んでもらうと、割増賃金の単価が下がるということを聞きました。

当社の休日は、土日と祝日のほか、お盆(毎年3日間)やGWの間の平日を休日と定めていますので、

話が本当であれば、少なくとも、お盆やGWの休日は休暇に変更したいと考えていますが、可能でしょうか。

 

結果として所定労働日数が増えるため、割増単価は下がることになりますが、
注意が必要です。

「休み=仕事をしない」という点では休日と休暇は同じですが、

この2つは大きく異なります。

 

「休日」は、

就業規則や労働契約などで定められた労働義務がない日です。

一方、「休暇」は、

休日以外の労働義務のある日(所定労働日)について、労働者の申請により労働義務が免除される日であり、

労働基準法で義務づけられている年次有給休暇などの法定休暇のほか、会社独自の休暇(任意休暇)があります。

このように、休日と休暇は法的に異なります。


この違いが影響するもののひとつに、割増賃金の単価があります。

割増賃金の単価は、月給制の場合、下記の計算式で算出することになります。

割増賃金の単価= 月の割増賃金の算定の基礎となる賃金額 ÷ 1ヵ月の平均所定労働時間数

1ヵ月の平均所定労働時間数=(365 日-年間休日数)× 1 日の所定労働時間 ÷ 12 ヵ月


割増賃金の単価の算出にあたって、1ヵ月の平均所定労働時間数を使用していますが、

1ヵ月の平均所定労働時間数については、年間休日数によって、その時間数が変わることになります。

つまり、ご質問のように、

休日を休暇として扱うと、休日数が減りますので、1ヵ月の平均所定労働時間数は増えることになり、

結果として、割増賃金の単価は下がるということになります。

このように、休日か休暇かにより、割増賃金の単価に影響が出ることになります。


ところで、

貴社では休日の一部を休暇に変更したいとのことですが、割増賃金の単価が下がるため、不利益変更の問題が生じます。

また、仮に変更した場合にも、休暇であれば、労働者の申請が必要となります。

申請が必要となると、休暇の都度、毎回、全員に申請させることとなり、労働者の負担が増え、

貴社にとっても、その管理が負担となることが考えられます。

そのため、割増賃金の単価が下がることだけではなく、

そのあたりも考慮したうえで、変更するかどうか、検討したほうが良いように思います。

 

休日と休暇が曖昧な就業規則や、曖昧なまま給与計算をしているケースがあります。

休日と休暇の違いを認識せず、休暇を休日として扱っていると、

割増賃金の計算で思わぬ負担増となっていることがありますので、注意が必要です。

上に戻る

年末年始を含む育児休業の申出があった場合、公休日も育児休業になるのか。

先日、お子さんが生まれた男性従業員から、年末年始に育児休業を取得したいという申出がありました。

申出のあった期間のうち、初日は仕事納めの12 月28 日であったため、

休む必要があるなら年次有給休暇を使ったらどうかと伝えたところ、

「雇用保険の育児休業給付金が支給されると聞いたので、育児休業として休みたい」と言われました。


そこでお聞きしたいのですが、申出のあった期間内がほぼ公休日なのですが、

このような場合にも育児休業として休ませてよいものでしょうか。

また、育児休業とすれば、欠勤控除されない公休日についても、雇用保険の育児休業給付金は支給されるのでしょうか。

 

休業期間の大半が公休日でも、全てが公休日でなければ育児休業として支給されます。

育児休業は、原則として子が出生した日から子が1 歳に達する日

までの間で労働者が申し出た期間とされています。

 

そして、その申出は、

休業を開始しようとする日と休業を終了しようとする日を

明らかにして、申し出なければなりません。

 

ご質問の男性従業員について、

公休日はそもそも労働の義務がない日である以上、育児休業をすることはできないのでは、と考えられているようですが、

本人が育児休業を申出た期間が子が1 歳に達する前の期間であり、

また、休業を開始しようとする日と休業を終了しようとする日を明らかにして申し出ている以上、

休業の大半が公休日であったとしても、貴社の男性従業員は、申出どおり育児休業をすることができます。


一方、雇用保険の育児休業給付金は、

本人に受給資格があり、支給要件を満たせば、育児休業の開始日から終了日まで育児休業給付金が支給され、

育児休業開始日の12 月28 日以外は給与も控除されないということになります。


なお、育児休業の開始日が12 月28 日の労働日であるため、育児休業をすることができますが、

申出た期間がすべて公休日で労働の義務がない日である場合は育児休業にならず、

雇用保険の育児休業給付金も支給されないことになります。

 

ご質問のケースのように、月をまたぐ育児休業の場合、

育児休業等取得者申出書を提出することによって、社会保険料が免除されることになります。

今回の申出は金銭的メリットを視野に入れたものと推測されますが、

子の出生から8 週間を過ぎた育児休業は、特別な事情がない限り、1 人の子に対し1 回しか取得できないことに

注意が必要です。

上に戻る

子が2歳に達する日と契約期間の満了日が同日の場合、2歳までの育児休業の取得は、
可能か。

産前産後休業を取得後(出産日:平成28 年5月1日)、育児休業をしている契約社員から、

「2歳まで育児休業を取れるということを聞いたが、自分も対象となるのか知りたい」という連絡がありました。

この契約社員の契約期間満了日は、平成30 年4 月30 日となっています。

この場合、2歳までの育児休業の取得が可能か、教えてください。

 

子が2歳に達する日までに契約期間が満了することが明らかである為、
取得できないことになります。

平成29 年10 月1 日施行の改正育児休業法により、

保育所に入れない等一定の場合に、

1歳6か月から2歳までの育児休業が可能となりました。

 

2 歳までの育児休業については、

申出時点で次のいずれにも該当する場合、

事業主に再度申し出ることにより、取得が可能となります。


① 育児休業に係る子が1歳6か月に達する日において、労働者本人または配偶者が育児休業をしていること

② 保育所等における保育の利用を希望し、申し込みを行っているが当面入所できない等、

1歳6か月を超えても休業が特に必要と認められること

また、有期契約労働者の場合、申出時点において、以下の要件を満たす必要があります。

③ 同一の事業主に引き続き1 年以上雇用されていること

④ 子が2歳に達する日までに労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと


ご質問の契約社員については、現在、育児休業取得中とのことですので、

1歳6か月から2歳までの育児休業を申し出る時点で、要件①と③は満たしており、

また、その時点で保育所に入所できなければ、要件②も満たすことになります。

次に、要件④の「2歳に達する日までに労働契約の期間が満了することが明らかでないこと」でいう

「2歳に達する日」とは、民法の暦日計算により2歳の誕生日の前日とされています。

したがって、子の生年月日が平成28 年5月1 日ということですので、

2歳に達する日は2歳の誕生日の前日である平成30 年4月30 日となります。


一方、契約社員の契約期間満了日は平成30 年4 月30 日であり、子が2歳に達する日と同日となります。

したがって、子が2歳に達する日までに労働契約が満了することは明らかということになり、

当該契約社員については2歳までの育児休業を取得することはできないということになります。

 

有期契約労働者の育児休業の取得要件を満たさなくとも、

会社によっては有期契約労働者に法を上回った育児休業の取得を認めているケースを見かけます。

その場合、雇用保険の育児休業給付金の受給については、

法令どおり、育児休業の取得要件を満たすことが求められますので、その点注意が必要です。

上に戻る

認可外の保育所に入れなかった場合、1歳以降の育児休業の対象になるのか。

現在、育児休業中の女性社員がいます。

まもなく子が1歳になるため、復職について確認をしていたところ、

認可外の保育所に入れたいので、市町村の保育所への入所の申込みはしない、

そして、認可外の保育所に入れなかった場合には引き続き育児休業を取得すると言っています。


当社の育児休業制度は、法律通りの内容としているのですが、

市町村の保育所への申込みをせずに、認可外の保育所のみに申込みをして、

認可外の保育所に入れなかった場合に、1歳6ヵ月までの育児休業の対象となるのでしょうか。

 

市町村の保育所に入所申込をせず、無認可の保育所に入所できないケースですので、
1歳以降の育児休業の要件を満たさないことになります。

子が1歳以降の育児休業をすることが

雇用の継続のために特に必要と認められる場合には、

子が1 歳6ヵ月(または2歳)を限度として

事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができます。

 

1歳以降の育児休業が可能となる事由に、

「保育所等における保育の利用を希望し、申込みを行っているが、

当該子が1歳に達する日後の期間について、当面その実施が行われない場合」があります。

(育児・介護休業法施行規則第6条第1号)

ここで、「保育所等」とは、

児童福祉法に規定する保育所、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に規定する

認定こども園および児童福祉法に規定する家庭的保育事業等をいいます。

そして、無認可保育施設は含みません。

また、「当面その実施が行われない」とは、市町村に対して保育の申込みをしているが、

市町村から、少なくとも子が1歳(または1歳6ヵ月)に達する日の翌日において保育が行われない旨の通知

(市町村が発行する保育所の入所不承諾の通知書など)がなされている場合をいいます。

 

ご質問の場合は、最初から市町村の保育所に入所申込みをせずに、無認可の保育所に入所できないケースですので、

1歳以降の育児休業の要件を満たさないことになります。

したがって、認可外の保育所に入所できず、当該社員が休業を延長する場合には、

育児・介護休業法に基づく育児休業には該当しないことになります。

 

なお、貴社の育児休業制度は、法律通りの内容とのことですので、

引き続き休業するのであれば自己の都合による休業(休職制度があれば休職)ということになります。

 

市町村の保育所に申込みをしない理由がよくわかりませんが、

このまま申込みをせず、無認可の保育所に入れずに引き続き休業する場合には、育児休業には該当しないこと、

育児休業に該当しない場合には雇用保険の育児休業給付金や社会保険の免除を受けられなくなることなどを説明して

対応を検討してもらってはいかがでしょうか。

上に戻る

育児休業中に申し出た第2子の産前休業をさかのぼって取り消せるのか。

育児休業中のアルバイトから、第二子の産前休業の請求があったので、第一子の育児休業を終了させ、

雇用保険の育児休業給付金の終了手続きを取りました。

ところが、後日、社会保険に加入していないため、第二子の産前産後期間が無収入となることに気づいたようで、

産前休業の申し出を取り消し、出産当日まで第一子の育児休業として、育児休業給付金がもらえるようにしてほしいと

言われました。

この場合、すでに開始している産前休業を取り消せるのでしょうか。

 

既に開始している産前休業を取消し、さかのぼって第1子の育児休業を復活させることは
出来ません。

労働基準法第65 条では、産前休業は

「使用者は、6 週間(多胎妊娠の場合にあつては、14 週間)以内に

出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、

その者を就業させてはならない。」と定めており、

産前休業を取るかどうかは労働者本人の請求に委ねられています。

 

したがって、

貴社のアルバイトについても、第二子の産前休業を請求しなければ、

第二子の出産当日まで第一子の育児休業は継続し、第一子の育児休業給付金も支給されていたことになります。


ご質問のアルバイトの方は、第二子の産前休業を請求する際、自身が社会保険に加入していないことにより、

第二子の産前産後休業には公的な補てんがないこと、

また、受給していた第一子の育児休業が終了し、育児休業給付金の受給も終了することに気づかなかったようですが、

産前休業が労働者本人の意思により請求して開始するものである以上、づかなかったことを理由に、

既に開始している産前休業を後になって遡って取り消し、第一子の育児休業を復活させることはできません。

そのため、雇用保険の育児休業給付金を遡って受給することはできません。

 

第一子と第二子を続けて出産することは多く、

第二子の出産が分かれば、労働者本人はその事実をそのまま、会社へ届け出てくることが一般的かと思います。

今回のケースでも、本人にとっては、産休も育休も休みに変わりがないため、

育児休業給付金が終了するとは考えていなかったのでしょう。

 

産休や育児に限らず、金銭面の影響があるものについては、その請求や手続きによって、

何がどのように変わってしまうのか、十分な説明をし、選択してもらうことが必要と考えます。

上に戻る

当所から1歳を超える育児休業を与えた場合に、
休業者本人にどの様な影響が考えられるでしょうか。

当社では、育児休業をする女性社員が、保育所が見つからず、職場復帰できないため、

結果的に退職するケースが最近増えています。

そこで、1歳までの育児休業を、

1歳に達した後の最初の3月末までの期間を上限とする育児休業制度を導入することを検討しています。

このような、当初から1歳を超える育児休業を認めた場合、休業者本人に対し、何か影響があるでしょうか。

また、その他、当社として考慮すべきことがあれば、教えてください。

 

1歳時点で職場復帰する意思がないと判断されると、
1歳6カ月までの育児休業給付金は、受給できないことになります。

当初から1歳を超える育児休業を認めた場合、雇用保険の育児休業

給付金が一定期間受給できない場合があると考えられます。

育児休業給付金は、

原則1歳までの育児休業期間を対象に支給されますが、その後、

1歳時点の事情により、1歳6カ月までの育児休業給付金の受給が

可能となっています。

そして、その事情の一つとして

「1歳時点で職場復帰する意思があるが、認可保育所の入所待ちで復帰できない」ことが挙げられています。

つまり、本人が、当初から1歳を超える育児休業を申し出ていることで、

1歳時点で職場復帰の意思がないと判断されると、1歳6ヵ月までの育児休業給付金は受給できないことになります。


実際の育児休業給付金の申請では、職安の窓口で、認可保育所に入所できなかったことを公的な書類で確認されることに

なるため、本人は認可保育所への入所申し込みをすることになりますが、市区町村によっては、本人の職場復帰の意思を

確認したうえでしか、保育所の入所申請を受け付けないとしているところもあるようです。

 

貴社が1歳を超える育児休業を認めていると、

市区町村に対し、本人が1歳時点で職場復帰する意思があることの証明をすることができないことから、

本人も入所の申し込みができず、結果として1歳6ヵ月までの6ヵ月間、育児休業給付金が受けられないという事態が

生じるおそれがあります。

このような事態が生じる可能性がある以上、原則通り、1歳までの育児休業、

そして、保育所等に入所できない場合に1歳6ヵ月までの延長という法通りの休業を付与し、

その後、個々の事情で復帰しやすい時期を設定していくような育児休業制度(法定を超える制度)を適用するという、

段階的な延長制度を検討されるのが望ましいと考えます。

 

育児休業は長期にわたるため、その間に会社の方針や業務内容、遂行方法の変化など、様々な環境変化があった場合、

職場に復帰しても仕事についていけないなどの問題が生じ、結果的に退職に至ることも見受けられます。

休業期間中においても、職場復帰に向けて何らかの教育訓練を行う、職場との交流機会を設ける、

会社の最新情報を提供するなど、スムーズに復帰できるような環境整備について検討の必要があると考えます。

上に戻る

休日出勤を命じた日に、年次有給休暇の取得を認めなければならないか。

先日、受注増により納期に間に合わせるため、工場の社員全員に休日出勤を命じたところ、

ある社員から、「その日は予定があるので、年次有給休暇をあてて休みたい」と年次有給休暇の取得の申出がありました。

このような場合、休日出勤を命じた日について、年次有給休暇の取得を認めなければならないのでしょうか。

また、年次有給休暇の取得を認めない場合、この日はどのような扱いになるのでしょうか。


休日出勤の日に年次有給休暇を取得することができるとなると、他の社員からもそのような申出が増えて、

工場を動かすことができないということにならないか、危惧しています。

 

休日出勤を命じた日に、年次有給休暇を取得する余地はなく、年次有給休暇の取得を
認める必要はありません。

年次有給休暇は、一定期間勤続した労働者に対して、

心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される

休暇のことで、「有給」で休むことができる休暇のことです。

 

そして、

休暇とは、所定労働日の労働の義務を免除する日をいいます。

つまり、

年次有給休暇は、所定労働日である日にしか取得することができないことになります。


休日出勤を命じた日というのは、そもそも休日であり、所定労働日ではありません。

したがって、

休日出勤を命じた日に、年次有給休暇を取得する余地はなく、貴社は、年次有給休暇の取得を認める必要はありません。

 

休日出勤を命じたことにより、「所定労働日」となるように考えられそうですが、

所定労働日は、労働契約により所定労働日(休日以外の日)としている日であり、

休日出勤を命じた日は、業務命令により労働の義務が発生したということであって、

休日が所定労働日に変わるわけではありません。


また、年次有給休暇の付与要件である全労働日の8割以上の出勤をみる際の「全労働日」に関して、

行政通達で、「所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれないものである」との定めがあります。

(昭33.2.13 基発90、昭63.3.14 基発150、平25.7.10 基発0710 第3号)

 

ご質問の場合、休日出勤を命じた日については、年次有給休暇の取得ができないこと、

休日出勤が必要な理由を改めて説明し、できる限り出勤の協力を求める必要があるかと思います。

そのうえで、どうしてもその日は出勤できないということであれば、

最終的には休日出勤命令自体を取消すことになると考えます。

貴社の場合、休日出勤に応じない社員が多数出てしまうと、工場の操業に影響が出ますので、

みなさんの理解を得ることが大切と考えます。

上に戻る

同じ日に、時間単位の有給と半日単位の有給を取得することはできるのか。

当社は、年次有給休暇を半日単位で取得できることとしているのですが、社員から年次有給休暇を有効に活用できるよう

時間単位で取得できるようにしてほしいと要望があり、現在導入の検討を行っております。


そこで、時間単位の年次有給休暇制度を導入した場合、たとえば、始業時刻から2時間だけ仕事をして、

そのあと時間単位の有休を2時間取得、半日単位の有休を取得するといったことは可能なのでしょうか。


なお、当社の1日の所定労働時間は8時間、半日単位の有休を取得したときの所定労働時間は4時間です。

 

半日単位の有給と時間単位の有給を取得することに、特に制限はなく可能と考えます。

年次有給休暇の取得は1日単位が原則ですが、従来から半日単位で

の取得が認められています。これは、労働者が半日単位での取得を

希望して時季を指定し、これに使用者が同意した場合であって、

かつ、本来の取得方法による年次有給休暇の阻害とならない

範囲内で運用される限りにおいては、

むしろ年次有給休暇の取得促進に資するものと考えられています。

 

一方、時間単位の年次有給休暇は、平成22 年4月1日施行の改正労働基準法により設けられたもので、

労使協定の締結により年5日以内の範囲で、時間単位の年次有給休暇の取得が認められることになったものです。


ご質問の場合、所定労働時間が8時間で、半日単位の有休を取得したときの所定労働時間が4時間となっていますので、

2時間だけ出社して、そのあとを有休にしようとする場合、有休1日をあてると社員にとっては不利になる一方、

半日単位の有休では2時間不足することから、半日単位の有休と時間単位の有休を組み合わせることにより、

有休を有効に活用したいということかと思います。

年次有給休暇については、心身の疲労を回復させるためまとまった日数の休暇を取得するという趣旨ではあるものの、

半日単位の有休も時間単位の有休も認められたものであり、

半日単位と時間単位の有休との間で特に制限があるものではありません。

 

したがって、ご質問のような年次有給休暇の取得も可能と考えますが、

本人の希望に基づくものであることが前提で、本人が不利になるものでなければ、問題にはならないと考えます。

 

むしろ、年次有給休暇を時間単位での取得を可能とする場合、管理が煩雑になることから、

そもそも会社が管理していくことができるのかという点を十分考慮する必要があるでしょう。

上に戻る

育児休業中に転職活動をして、そのまま退職する社員に対して、
何らか抑制することは出来ないのか。

先日、ある男性社員から育児休業の申出がありました。

そのあとで、その男性社員を知る別の社員から「育児休業中に転職活動をしてそのまま退職する」という話を聞きました。


当社では、男性社員の育児休業を推進しており、それ自体はよいのですが、

転職活動のために育児休業をするようになると、他の従業員に対しても示しがつかないため、何らか対応したく、

たとえば「育児休業後は復職する」という誓約書を求めて、抑制するようなことはできませんか。

 

ご質問の賞与は、割増賃金の算定基礎から控除される賃金には含まれません。

育児休業は、原則として1歳未満の子を養育するための休業であり

社員の場合、労使協定の除外要件に該当しない限り、申出をすれば

育児休業をすることができます。

したがって、育児休業期間中に転職活動を行い、そのまま退職する

ことを予定していたとしても、要件に該当している限り育児休業を

拒むことはできません。


ご質問の場合、

転職活動をして退職するという話(噂)が耳に入り、何らか対応できないかと考えられるのも理解できますが、

育児休業中に状況が変わったことにより、復職せずにそのまま退職するといったことも、実際によくみられるところです。


貴社では、今回のケースを抑制するため誓約書をとることを考えていますが、

そうなるとご質問の男性社員だけというわけにはいかず、他の従業員からも誓約書をとることになりますし、

法で認められた権利を阻害するようなことにもなりかねず、現実的ではないと考えます。


一方、育児休業中は、雇用保険の育児休業給付金を受給することができますが、

育児休業給付金の支給要件は、「ここでいう『育児休業』とは、職場復帰を前提に取得するもの」で、

「休業取得時に退職が確定(予定)している休業」は支給の対象とはならないとされています。

(「雇用保険事務手続きの手引き」東京労働局職業安定部)

したがって、当該男性社員が、噂通り本当に退職を予定している場合には、本来は育児休業給付金を受給することが

できませんので、そのことを本人に説明することで抑制することが考えられますが

この場合にも育児休業をすることはできます。

上記に関しては、当該男性社員だけでなく、

会社は、従業員からの育児休業の申出に対し、育児休業の開始・終了予定日などを通知する義務がありますので、

その書面に、育児休業取得時に退職が確定(予定)している場合は、育児休業給付金が受給できない旨を記載して、

育児休業は復職を前提に取得するものという意識づけを行うことが考えられます。

 

なお、育児休業給付金を受給することができないにもかかわらず受給した(受給しようとした)場合には、

不正受給となり、不正受給した額の3倍の額を返さなければならないされていますので、注意が必要です。

上に戻る

育児休業中の社員から年次有給休暇を消化して退職したいと言われたら、
認めなければならないか。

今月末で育児休業が終了する社員がいます。

育児休業終了後、本人は退職することを希望しているようなのですが、

本人から、残っている年次有給休暇を全部消化してから退職したいという申出がありました。


このような申出は受けないといけないのでしょうか。

 

退職希望日を確認して、育児休業終了日と同日という事であれば、
有給休暇の請求自体ができません。

まず、育児休業期間中の年次有給休暇の請求についてみてみると、

育児休業期間中は単に会社に籍があるにとどまり、

会社に対する労働の義務が免除されている期間といえます。


年次有給休暇は、

賃金の減収を伴うことなく労働義務の免除を受けるものであって、

労働の義務がない日については年次有給休暇を請求する余地があり

ません。

したがって、育児休業期間中は年次有給休暇を請求することができないということになります。

つまり、年次有給休暇を請求するのであれば、いったん会社に復帰することが必要となります。


ところでご質問の場合、退職を希望しているとのことですので、いずれにしても退職日を特定してもらう必要があります。

この場合、退職日が育児休業終了日と同日である場合には、

年次有給休暇を請求することはできないということになりますので、申出を受ける必要はありません。

しかし、退職日が育児休業終了日より後の日である場合には、

育児休業終了後いったん復帰することを前提に、退職日までの間の労働の義務のある日(労働日)について

年次有給休暇の請求があった場合には、認めないということはできません。

したがって、この場合は年次有給休暇を消化してもらうことになります。
 

 

なお、消化できなかった年次有給休暇については、買い上げるか、本人に諦めてもらうかしかありません。

もちろん、退職までに年次有給休暇を全部消化させなければならないというものでもありません。

ご質問のケースの場合、いったん復帰ということになると、

社会保険料の免除の対象ではなくなり、会社、本人とも保険料の負担が発生することになります。

上に戻る

年次有給休暇を使用している間に出産した場合、出産日とその翌日の扱いはどうなるのか。

3 月6 日が出産予定日の社員がいます。

1 月24 日から産前休業に入る予定だったのですが、本人から年次有給休暇を使用したいという申し出があったため、

当社の給与の締切日(15 日)にあわせて、1 月24 日から2 月15 日まで年次有給休暇を使ってもらうことにしました。


ところが、予定通り1 月24 日から年次有給休暇を使用し休みに入っていたところ、

2 月14 日に出産したという連絡を受けました。

この場合、2 月14 日と15 日はどのように扱えばよいのでしょうか。

 

年次有給休暇を使用できるのは、出産日当日までとなります。

まず、産前休業についてみてみると、

出産予定日を基準として6週間(多胎妊娠の場合は14 週間)

以内の女性が請求した場合には就業させてはならず、

産前休業を与えなければなりませんが、

産前休業は本人からの請求が条件となっています。

 

したがって、

本人から請求がない限り、産前休業を与える義務はありません。

なお、出産当日は産前6週間に含まれます。


一方、産後休業については、実際の出産日を基準として、その翌日から起算して8週間を経過しない場合は、

原則として就業させてはならず、強制休業の期間となります。

ただし、

産後6週間を経過した場合、本人から請求があり、医師が支障ないと認めた業務に就業させることは差し支えありません。


ご質問の場合、1 月24 日から3 月6 日まで産前休業をすることができるところ、

2 月15日までは産前休業ではなく年次有給休暇を使用する予定だったようですが、

予定日より早く、2 月14 日に出産したとのことですので、

年次有給休暇を使用できるのは出産当日(2月14 日)までとなります。

 

なぜなら、出産の翌日である2 月15 日からは、

本人の請求の有無に関係なく、絶対就業させてはならない強制休業期間(産後休業)となります。

産後休業期間中は労働の義務が免除された期間となりますので、

労働の義務がない日(産後休業期間)については年次有給休暇を請求する余地がないことになります。


したがって、2 月15 日については、当初予定していた年次有給休暇ではなく、産後休業として扱うことになります。

上に戻る

午前中の勤務時間が午後半休の時間帯まで長引いた場合、
そのまま午後半休を与えたことにしてよいか。

当社の所定労働時間は、午前9時から午後6時までであり、休憩時間は、午後1時から午後2時までとなっています。

先日、午後半休を取得する予定だった社員が、午前9 時から午後3 時まで休憩も取らず、勤務していたようです。

このまま、午後年休を与えたことにしてよいでしょうか。

 

完全に労働から解放されていない状況ですので、半休を与えたことにはなりません。

年次有給休暇は、労働者の心身の疲労を回復させ、

労働力の維持培養を図ることを目的としているため、

年次有給休暇を取得したときには、

完全に労働から解放される必要があります。

 

そして、

その与え方は一暦日(午前0 時から24 時)を原則としています。

この点について、翌日、年次有給休暇を予定していた日勤者の勤務が、

時間外労働によって翌日の午前2 時まで及んだ場合、既に午前0 時から2 時までを既に勤務しているため、

翌日の通常勤務を免除しても、暦による一労働日単位の休息が与えられたことにはならず、

年次有給休暇を与えたことにはならないとされています。(労働基準法 上 労働法コンメンタール)


また、半日単位での年次有給休暇については、

「半日単位で請求しても、使用者はこれに応じる義務はない」(昭24.7.7 基収第1428 号、昭63.3.14 基発第150 号)

とされており、当然に与えるものではありませんが、

労使合意の上で、半日単位で年次有給休暇を与える制度を設けることは構わないとされています。

つまり、半日単位の年次有給休暇について法的な定めはありませんが、貴社でその制度を設ける以上、

本来の年次有給休暇の趣旨に従い与える必要があります。


以上のことから、貴社の場合、午後半休を午後2 時から6 時の時間帯に与えると定めている以上、

午前中の勤務が午後3 時まで及んだことにより、午後半休の時間帯を一部勤務し、

完全に労働から解放されていないのであれば、午後半休を与えたことにはならないと考えます。

 

 

つまり、午後半休は取り消されたことになり、

この日については、午前9 時から午後3 時までの実際の労働時間に応じた賃金を支払うということになります。

ただし、

業務の都合で労働時間が長引いたことにより、午後半休が取り消され、

結果的に不就労時間の賃金が支払われないことになれば、

労働者本人としては納得いかないという不満が出るでしょう。

そのため、業務の都合によって勤務時間が長引き、午後半休が完全には取れない場合については、

午後半休を取り消し、通常の勤務をしたとして賃金を取り扱うことも必要になると考えます。

上に戻る

裁量労働制を適用している社員から、半日単位の有給休暇の請求があった場合、
どうすれば良いでしょうか。

専門業務型裁量労働制を適用している社員から、半日単位の年次有給休暇を取得したいと言われました。

これまで、裁量労働制を適用している社員から、半休を取得したいと言われたことはないのですが、

半休制度を設けている以上、裁量労働制対象者にも、半日単位の年次有給休暇を与えなければならないのでしょうか。

 

裁量労働制を適用されている従業員に付いては、自分で労働時間を調整すればよく、
あえて半日単位の有給を請求する必要はありません。

専門業務型裁量労働制とは、労働基準法第38 条の3に基づく制度

であり、業務の性質上、業務遂行の手段や方法、

時間配分等を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある業務として、

法令等に定められた19 業務の中から、

対象となる業務を労使協定で定め、実際の労働時間数とはかかわり

なく、労使協定で定めた時間を労働したものとみなす制度です。

つまり、

裁量労働制が適用された場合、始業・終業時刻の決定や1 日何時間働くかについて、労働者自身に委ねられており、

その実際の労働時間が何時間であっても、あらかじめ労使で定めた時間労働したものとみなされます。


一方、年次有給休暇は、裁量労働制で働く場合も当然に付与されますが、

年次有給休暇は1日単位の取得を原則としており、

半日単位の年次有給休暇制度は設けなければならないものではありません。

 

貴社に半日単位の年次有給休暇制度があることから、裁量労働制対象者から請求があったわけですが、

1 日何時間働いても、あらかじめ労使協定で定められた時間働いたものとみなされることから、

労働時間については自分で調整すればよく、あえて半休を取得する必要はないということになります。


したがって、今回、半休の請求があった社員に対しては、

裁量労働制は業務の遂行の手段および時間配分の決定など当該社員に委ねられているものであり、

半休を請求しなくとも、自分で労働時間を調整するよう、

そして、半日単位ではなく1日単位で取得するように話してはいかがでしょうか。

 

労働基準法上の管理監督者について、労働時間・休日の適用が除外されていることから、

年次有給休暇を付与する必要があるか聞かれることがあります。

年次有給休暇については、管理監督者であっても付与しなければなりませんが、

半休制度についてはあえて半休とする必要はないということになります。

上に戻る

派遣社員が年次有給休暇を取得したら、派遣先は、その日の派遣料金を払わなければ
ならないか。

先月から来てもらっている派遣社員が年次有給休暇を取得した日について、派遣会社から派遣料金を請求されました。

派遣会社に確認したところ、

「年次有給休暇を取得した日も出勤とみなしますので、料金は請求いたします」という答えが返ってきたので、

年次有給休暇を取得した日について派遣料金を支払う特約を結んでいるのかと派遣契約書を確認しましたが、

そのような記載はありませんでした。


派遣会社がいうように、派遣社員が年次有給休暇を取得した日についても、

当社は派遣料金を支払わなければならないのでしょうか。

 

派遣社員が年次有給休暇を取得した日について、派遣料金を支払うことになっていなければ支払う必要はありません。

派遣会社との労働者派遣契約のなかで、

派遣社員が年次有給休暇を取得した日について

派遣料金を支払うことが記載されていないのであれば、

支払う必要はありません。


労働者派遣契約の場合、

派遣先は役務の提供を受けることで派遣料金が発生します。

 

派遣社員が年次有給休暇を取得した日は、貴社は役務の提供を受けていませんので、派遣料金を支払う必要はありません。

派遣社員が年次有給休暇を取得したことで生じる賃金は、使用者である派遣会社が派遣社員に支払う義務がありますが、

それに連動して派遣料金が発生するわけではありません。

労働者派遣法では、派遣会社に対し、派遣料金のマージン率の公開を義務付けています。

このマージンには、派遣社員の社会保険などの福利厚生費、

また今回のような年次有給休暇やその他の休暇を取得した場合の賃金等が折込まれて設定されており、

大手の派遣会社ではその内訳を公開しているところもあります。


つまり、派遣会社は、年次有給休暇などを取得することによって支払うべき賃金等を折り込んだ料金設定をしており、

労働者派遣契約で特約がない以上、労働者派遣の役務の提供をしていない日にまで、

派遣先に対し派遣料金の請求をすることはできないと考えます。
 

 

もちろん、労働者派遣契約は会社間の自由な商取引ですので、

どのような場合に派遣料金が発生するのか、支払うのかは当事者間の取り決めとなります。

派遣会社によって考え方は様々ですので、

現時点で、ご質問の派遣会社との間でその点が明確になっていないのであれば、

今後の取り決めをしておくとよいでしょう。

上に戻る

個人別付与方式による年次有給休暇の計画的付与を行っている場合、既に年次有給休暇を
使い切っている社員の扱いはどうなるのか。

当社では夏季休暇として毎年7月から9月の間に3日間、個人別付与方式による計画年次有給休暇制度を採用しています。

事前に計画表を回したところ、

ある社員から「年次有給休暇を使い切ってしまったので、特別有給休暇をお願いします。」という申し出がありました。


当社の計画年休の労使協定では、計画付与の時点で年次有給休暇が不足している社員には特別有給休暇を付与すると

定めていますが、あくまでも、年次有給休暇が付与されていない入社間もない社員を想定しており、

今回のように使い切ってしまった社員に対してまで付与することは考えていませんでした。


申し出のとおり、特別有給休暇を付与しなければならないのでしょうか。

 

貴社の労使協定では、特別有給休暇を付与する社員について、明確な定めがないため、
今回は付与せざるを得ないでしょう。

年次有給休暇の計画的付与の方法としては、

①事業場全体の休業による一斉付与方式、

②班別の交替制付与方式、

③年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式があります。


そして、行政通達では、計画的付与を採用する際、

年次有給休暇がない労働者や不足する労働者について、

特別の休暇を与える、年休の日数を増やす等の措置が望ましく、

そのような措置を取らずに休業させる場合には休業手当の支払いが必要であるとされています。

 

これは、事業場全体による一斉付与方式の場合に、年次有給休暇がない労働者だけ出社させるわけにはいかないことや、

全社休業を会社側の都合と捉えた措置として通達されており、

貴社の採用されている③年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式には同様の措置は求められておらず、

特別の休暇を与える必要はないと考えます。


しかしながら、貴社の労使協定では、年次有給休暇が付与されていない社員に対してのみ、

特別有給休暇を付与すると明確に定めているわけではないため、

今回に関しては使い切ってしまった社員にも付与せざるを得ないでしょう。

 

今後、このような事態を避けるためにも、

貴社として、社員各人の年休使用状況と残日数を把握しておく必要があります。

(年次有給休暇は2年の時効により消滅する日数と1年毎に付与される日数があるため、管理する必要があります。)


また、計画年休を付与する時季になって付与日数が不足するようなことが生じないよう、

労使双方での工夫も必要でしょう。

例えば、貴社としては、社員に対し計画年休のルールを改めて周知し、

加えて、計画的付与で使用する年次有給休暇の日数は、

社員が自由に使用できる日数とは別に管理するなどの管理方法を検討することが必要と考えます。

上に戻る

終業時間の間際に、翌日から30日の有給申請をして帰ってしまった社員に、
どの様に対応すれば良いでしょうか。

終業時刻ぎりぎりになって、直属の上司に対し、30 日間の年次有給休暇の申請を行い、そのまま退社した社員がいます。

上司が席を外している間に社員が有休の申請を行ったらしく、

上司が30 日間の有休の申請がされていることを知ったときには、本人は退社してしまっていたため、

社員から事情を聴くべく、上司が何度も電話をしているのですが、一向につながりません。


このような場合、どうすればよいのでしょうか。

社員の申請通りに、有休の取得を認めなければならないのでしょうか。

 

申請された30日間の有給のうち、一定の日数については、時季変更権を行使することが
考えられます。

年次有給休暇は、

本人の請求によって取得の時季が指定されるもので、

会社は、原則として指定された時季を変更することはできません。

しかし、

ご質問のような長期にわたる連続した休暇を前日の終業時刻間際に

申請された場合にまで、本人の申請通りに認めなければならない

ものではないと考えます。


本人は有休を30 日間まとめて取得するということですが、通常、長期にわたって休暇を取得するのであれば、

事前に業務の調整が必要になるところです。

しかし、今回のように、事前の業務の調整をすることなく、申請の翌日から長期にわたる有休を取得することとなれば、

事業の正常な運営に支障を来すことが考えられます。

したがって、事業の正常な運営に支障を来すのであれば、

申請された30 日間の有休のうち、一定の日数については、時季変更権を行使することが考えられます。

しかし、時季変更権を行使しようにも、本人と連絡が取れないことには、時季変更権の行使ができません。

まずは、本人と連絡を取ることを優先し、

そのうえで、本人と連絡が取れたら、まとまった休暇を直前に申請した事情を聴いたうえで、

このような長期のまとまった休暇をとるのであれば事前の調整が必要となること、

適正な手続きを踏む必要があること、そして事業の正常な運営に支障を来すことなどを話したうえで、

それでも本人が30 日間まとめて有休を取得するというのであれば、

一定の日数については、時季変更権を行使することもやむを得ないと考えます。

 

なお、貴社の有休の取得の際のルールを改めて確認した方がよいかと思います。

有休の取得予定日の何日か前までに申請することが定められている場合には、

そもそも要件を満たしていないことになりますので、そのことを本人に認識してもらうことも必要と考えます。

上に戻る